Excelでいつも同じ作業を繰り返しているのであればマクロを使って自動化しましょう。Excelには作業を覚えてくれる「マクロの記録」という機能が備わっています。この機能を使えば指定した作業をボタン1つで行ってくれます。
マクロの記録とは
マクロの記録とはその名の通り、貴方がExcel上で行なった行動を記録してくれます。次からはマクロを実行するだけで自動で同じ動作が行われます。しかも動作速度は手でやるよりも早いため大幅な時間短縮になりますし、入力ミスなどもないため正確な作業が行われます。時間短縮と正確性が両立できるなんて嬉しいですね!
どのような作業で使えるのか?
データのフォーマットが毎回決まっている作業に使えます。マクロの記録はセルの住所(A1とかB21などの英字+数字)を基準として動作します。違うセルにデータが入っていると正しく認識できませんので、あらかじめデータのフォーマットが準備されたものに適用できます。
マクロは「入力する行と列が決まっているデータ」に適しています。
実際に使ってみよう!
では実際にマクロの記録を使った作業を行ってみましょう。サンプルとして2種のマクロを作っていきたいと思います。実際に手で触れてみるとどのような構造でマクロが組まれているのかを確認することができます。新しいアイディアも産まれてくると思いますので何度か触って慣れることをお勧めします。
マクロの記録は表示>マクロ>マクロの記録(R)をクリックします。
マクロの記録ウィザードが開きますので、マクロ名(M)に好きなマクロ名を入れます。ショートカットキー(K)とマクロの保存先(I)、説明(D)は割愛します。
例)ボタン一つで行にフィルターをかけるマクロ
A列に地方、B列に件名が入力された47行のデータがあります。A列の地方に特定のフィルターをかけてその地方に該当する件名を表示させます。普段はフィルター機能を使っていると思いますが、ボタン一つでフィルターをかけるマクロを「マクロの記録」を利用して組んでみます。
事前準備
A列に入力されている地方をソートするため1行目にフィルターをかけましょう。フィルターをかけたい行の一部をクリック>データ>フィルターをクリックをするとフィルターが設定されます。このフィルターを「九州地方」にする動作をマクロに記録させます。
マクロの記録をする
まずは表示>マクロ>マクロの記録(R)をクリックして記録をスタートします。その後は、A列のフィルターを「九州地方」に設定します。これでA列が九州地方に設定され、九州地方に属する件名がB列に表示されます。
ここまでの動きができたらマクロの記録を終了します。終了のさせ方は表示>マクロ>マクロの終了(R)をクリックすることでできます。
マクロの確認をする
記録させたマクロを確認してみましょう。確認方法は表示>マクロ>マクロの表示(V)をクリックするとマクロの編集画面「Microsoft Microsoft Visual Basic for Applications(通称VBA)」が開きますので、そこで確認できます。
今回作った(記録した)マクロは以下のようになっています。
※Subの右隣にマクロのタイトルをいられますので「九州地方()」としました。
Sub 九州地方()
'
' 九州地方 Macro
'
ActiveSheet.Range("$A$1:$B$48").AutoFilter Field:=1, Criteria1:="九州地方"
End Sub
- Sub,End Sub
この中にコードを書きます。 - ActiveSheet
現在使用しているアクティブなシート - Range
セルの範囲を指定する - AutoFilter
必要なデータを指定する- Field
フィルターのフィールド番号。
左端が1(地方の列)。 - Criteria1
抽出したい文字列を指定する
- Field
今回の動きはこのような構成となっています。「アクティブなシートのセルを指定して、フィルターを九州地方を抽出条件に指定する」。マクロを実行するとこの動きを自動でしてくれます。
マクロを実行する
それではマクロを実行してみましょう。ここではまず、「マクロを実行する」で動かしてみましょう。後にボタンも作ってみてさらに簡単にします。
一度、セルのフィルターを外して元々のデータにしましょう。表示>マクロ>マクロの表示(V)をクリックします。九州地方をクリックして選択し実行(R)をクリックすると実行されます。
このマクロではフィルター機能を消してもちゃんとフィルターがかかってくれます。九州地方に限定されますが、作業を少ないクリック数で行うことができました。更に簡単にするにはシート状にボタンを設置して、そのボタンを押すとマクロが実行できるように設定します。この方法は結構使いますので覚えておくと便利です。
ボタンを使ってマクロを実行する
まずはボタンを挿入します。
開発>コントロール>挿入>ボタンをクリックします。
ボタンを作りたい位置をクリックします(場所は後で変更できます)。するとマクロの登録ウィザードが開きますので、ボタンを押すことで動作させたいマクロを選びます。先ほどのマクロの記録の手順ですべての地方を作成してみましたので、ここでは試しに北海道を選んでみましょう。
すると選んだ位置にボタンが表示されますのでクリックして名前を北海道にします。
北海道ボタンを押してみるとA列が北海道になりました!このような感じでボタン一つで動作させたい動きをさせることができます。
すべての地方のボタンを用意してみました。それぞれのボタンを押すとA列に指定させた地方のフィルターがかかるようにできました!
このような手順で動作させたいボタンにマクロを登録することでワンクリックで動作させることができます。
まとめ
マクロの記録を使えば普段やっている動作をExcel上に記録することができます。何回も同じ作業を行っている人はマクロを有効活用して普段の作業時間を短縮しましょう。また、ボタンにマクロを登録することでワンクリックで様々な動作を行うことができます。とても簡単に設定することができますので、貴方の作業をボタンに登録してワンクリックで完了させちゃいましょう!ワンクリックプロジェクト始動です!
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